アナウンサーの発言３

今日、まどろんでいたら
「・・・と・・・と、二重にやってるんだよ！！」
というそこだけ大きな声で起こされた。
何を二重にしてるのか？おそらく、こうだろう。
背景でワーワー言っている、雑音のような、遠くのスタジアムの大観衆の声のような、そういう声がレシーバーからいつも発せられている。その声は、ターゲット自身には、ギリギリ何を言ってるか認識できないが、反応は引き出すことができて、しかもその記憶が残りにくいように調節された音量と生活音に紛れやすい周波数だ。その声で、仕掛人に望ましい反応が得られるまでしつこく同じ言葉を繰り返し聞かせたり、尋問して情報を引き出したり、刺激キーワードと応答ワードを条件反射になるまで刷り込んだり、という悪さをしている。この音声を便宜的に副音声と名づける。
それと、普段はっきり聞こえる音量でボイスチェンジャーを通した声である主音声とがある。二重になっているというのは主音声と副音声が二重になっているという意味だろう。
思い起こしてみると、「二重にやってるんだよ」というセリフが意識に上る前から、ずっとちらちらと何か聞こえていたような気がする。どうも、かなりの急ピッチで会話に見せかけた仕込みセリフを言わされ続けていたような記憶がある。危ない危ない。まったく悪質な。
副音声は、音量を精妙にコントロールして、ターゲットが眠りから完全に覚めてしまわないような音量でレム睡眠時や覚醒時に延々と続けられているようだ。
以前「記憶に残さなきゃいいんだろッ！」とも言ってたしなあ。悪質だな。